銀トリ日記

低気圧とか寒気とか暴風だの猛吹雪だの、ウェザーニュースはすっかり真冬になり、ショップはクリスマスのデコレーション。年々、1年が短くなっていく気がするのは私だけでしょうか。年末の大掃除が半年前の事のようです。皆様、お変わりございませんか。

夜中に帰宅してまず先に私が向かうのはマンション1階のコンビニです。買うものはいつも同じでノンシュガーのコーヒーとサラダと、最後にタバコを1つ。路面店ではないので買い物客は100%住民ですが深夜でも皆さんそれなりの服装をしていて、私はいつも凄いなと感じていました。ところが・・・今朝、今時珍しいいかにもパジャマのおじいさんに出会しました。白地に青のストライプのパジャマに茶色のボアのベストで、一瞬タイムスリップしたかと立ち止まってしまいました。

昭和〜。笑

おじいさんはレジ前の栄養ドリンクコーナーにいました。お仕事終わりのぼんやりした頭で、私がくるっとまわっていつものコーヒーを手に取った時のこと。そのおじいさんがくしゃみをしたのですが・・・それが爆弾みたいな大きさで、びっくりして私は舌を噛みちぎりそうになりました。ブヒみたいな、それじゃ全然スッキリしないでしょう的なくしゃみとか、今まで色んな個性溢れるくしゃみを聞いてきたけれどあんな迷惑なくしゃみは初めてでした。然もハクションって言ってない。ぐゃっくしょ〜ん?びゃっくしょ〜ん?兎に角、物凄い破壊力で更にその後で何か言う。

グァ〜っ!!とかなんとか。

なんじゃそれ?ってなりながらサラダをカゴに入れてたら、おじいさんがまた爆弾くしゃみをした。

ぐゃっくしょ〜ん、ぐあ〜っ!!!

怖いから、それ。はよドリンク選んでさっさと帰って着替えて寝なはれ。爆

ってか、絶対にこの人とは一緒に暮らせないわ。心臓麻痺で死ぬ。

また台風が各地に大きな災害をもたらして去って行きました。福島には夏休みにお邪魔しました。千葉は週末ドライブに度々行く私には身近な場所、とても残念で心が痛いです。雨はもう懲りました。皆様、お元気でしょうか。

12月に銀座のトリルは開店10周年を迎えます。そこで少しだけ店内のインテリアを変えてみました。オープン前、私の頭の中にはこんな雰囲気のお店をしたいという理想がありました。でも賃貸物件には厳しい制約があり、資金にも限度がありました。大きな傘の下で胡座をかいていた雇われママの私が、たった1人で漕ぎ出した泥船です、例え資金に余裕があったとしても投入する度胸など当時の私にはありませんでした。あっという間に私の理想は、あっさり跡形もなく消えました。

あの時から・・・もう9年です。

先日、私は1人で開店前のソファに座り、黙って店内を見渡していました。そしてある事に気づきました。トリルはまるで私の自宅と姉妹のよう。

ふと昔、夜の銀座に勤め始めた頃のことを思い出しました。初めて勤めたお店にあるものは全てが高価で、新人の私はお客様がグラスを持つ度に冷や冷やしていました。そんな私を知ってか知らずか、ある年配のお客様がこっそり仰いました。「 こういうお店はね、ママの自宅に招かれているような雰囲気じゃなきゃいけないんだよ。ママのカラーと一致しないとだめなんだ。ここのママは相当高級なのかな?それとも高級好きなのかな。」

私にはその言葉の意味が全く理解できませんでした。今でもよくわかりません。こういうお店の意味もママのカラーの意味も、高級も高級好きも。物は物でしかないから。ただ私は私の好きな物しか置かないから、それが好きだと言って下さる方が沢山いると嬉しいな。「 家に帰ってきたみたいだ。」とか、「 ここは なんか落ち着くね。」とか、「 ここで飲んでると眠くなるよ。」とか言って下さると嬉しい。同じ場所で同じ時間を一緒に過ごせる事が嬉しい、ただそれだけ。

よく9年もやってきたものです。

皆様、いつもいつもありがとうございます。

もっと頑張ります。皆様の応援を支えに、マスターと娘の力を借りて。

台風19号は余りにも鋭い爪痕を残していきました。被害に遭われた方々のご苦労を思うと心が沈みます。追い討ちをかけるように今週末は雨、どうかこれ以上被害が出ませんようにと願っています。

実はそんな中、私達母娘は長野県に2泊の予定で遊びに来ていました。初日は安曇野、2日目は斑尾泊の予定でした。19号は土曜に関東上陸との前情報を信じ、「 早朝に都内を抜けて信州に逃げちゃえば大丈夫。」なんて言って、バルコニーのテーブルも椅子もロープで固定して準備万端で。地下のトリルの事ばかり心配していた私でした。到着時、安曇野は小雨でした。それがまさか数時間後に千曲川があんな事になるなんて・・・。

安曇野アートミュージアムで1つひとつの作品を楽しみ、りんごのソフトクリームを食べて、ティールームガルニに移動。ママとのお喋りと美味しいランチ。雨が激しくなってきたので早目にホテルにチェックインして、ゆっくりお湯に浸かり寛いでいました。都内はどうなったかと気になってテレビをつけ、それからはずっとずっと災害情報に釘付け。雨の中を鳴り続けるサイレンと防災無線は異様でした。

翌朝、斑尾のホテルから停電によるキャンセルの連絡が入り、随分迷って急遽八ヶ岳に宿を取りました。調べたところ道はどこもかしこも通行止で、慌てて帰宅は止めようと。ホテルを後にして見る景色は前日とは全く違うものでした。これは私のせいではないけれど申し訳ない、そんな気持ちになりました。

八ヶ岳も早々に退散。富士市まで下り東名で倍以上の時間を掛けて帰宅しました。自宅のバルコニーに出たら、小さな枯葉が1枚ひらり・・・

いつ誰がどんな被害に遭うかなんて、誰にもわからない。今回は私じゃなかった、それだけ。人の気持ちがわかる人間でいたい、わかりたいと思える人でいたい、思うだけでも。

ニュースで台風15号による被害が報道されています。それによりご不便な生活を送っておられる方々も多いとか、どうか1日も早く復旧され皆様に普段の生活が戻りますようにとお祈り致します。

非常に危険な台風だと知り、私が1番に思ったのはお店の事でした。お店のあるビルは道路より数十センチ高く建設されてはいるものの、店舗は地下にあります。降水量によっては、あっという間に浸水してしまいます。もしもお店がそんな事になったらと私はドキドキが止まらなくなり、頭の中は汚水に浸かったグランドピアノやボトルでいっぱいになってしまいました。涙が出そうになりました。

そうなればきっと大切にしてきた物は全部処分することになるだろう。お客様が開けて下さった黒いドアーも椅子もテーブルも絵画も・・・もしかしたらその時、私には再開する元気は残っていないかもしれない。私に残るのはお客様やスタッフとの1つ1つの思い出だけ。「 このお店はなんだか我が家に帰ってきた気がする。」と通って来て下さったお客様方のお顔が次から次に浮かんできて、涙が出た。ごめんなさい、私・・・今まで良い人間じゃなくて。可愛くないことばっかり言っていて。本当はいらして下さって嬉しくて仕方ないのに。感謝が足りなかった。

本当にごめんなさい。

だけど、でも、中々変われないんだわぁ。変わるのって大変。こんな時はちょこっと反省するのだけどね。あっという間にそんな気持ちがどこかに消えちゃって、いつも通りにゲラゲラ笑ってる。「 そんな生意気言うなら正座させるよ!」なんて、誰彼構わず言っちゃったりなんかする。

本当にごめんなさい。

まじで浸水しちゃって、まじで営業再開出来なかったら、その時は本当に深く反省すると思う。だから許して〜、変われないのよ。ころっと元に戻っちゃうんだわ。ころっと戻って、「 なんでそんな風にしか言えないの?性格悪いよね。幼稚園児みたいだわ、子供だよね。」なんて酷いこと言っちゃう。ほんと、

ごめんなさ〜い。

土嚢って効果あるのかな。幾らするんだろ。調べておこっと。笑

台風15号が真っ直ぐ関東に向かってきています。夕方から明朝にかけてかなりの暴風雨になるそうで、晴れているうちに危険な物を片付けておくようにとの事。お隣のチャペルでは本日3組目の挙式の真っ只中、綺麗なブルースカイ、本当に台風なんて来るのかしら?と半信半疑でバルコニーのテーブルと椅子を紐でしっかり固定しました。今夜行くはずだった日帰りスパはキャンセルです。

皆様もどうぞお気をつけて。

先日娘が、「 ママが歳を取ったらこんな感じ。」とアプリを使って私の未来の姿を見せてきました。見たくないのに見せてくれました。私はえっ?てなって絶句でした。そんな私に笑いながら娘は、「 ママ、でもこれは良い方だからね。綺麗に歳を取るとこんな感じ。もっと悪くなる場合が殆どだから。」と追い打ちをかけてきて、益々不愉快になりました。

やってみてって頼んでない。笑

でもその後、娘は面白がってお客様やマスターの未来の姿もやって、それが・・・

めっちゃ笑える。楽しいたのしい。

特にマスターのお爺さんバージョンは最高に楽しかった。マスターは想像通りのお爺さんで、「 いるいる。こんなお爺さん、いるよねぇ〜。ひょぇ〜。マスターってこうなりそうだよねぇ〜。。」なんて皆んなで大爆笑してた。そしたら・・・マスターがめちゃくちゃ不機嫌になった。「 こうなる前に死にたいです。生きていたくないです。」って落ち込んだ。「 いゃ、でも皆んな歳取るんだしさ。仕方ないよね。これはただのアプリで遊びなんだしさ。こうなるとは限らない。」なんて慰めたけど、マスターは遥か地球の裏側まで行ってしまった。

も〜。

はぁ・・・・

だけどマスターの気持ちはよくわかる。ホント、あのアプリはこの歳の人間にはきつ過ぎる。私なんて翌日は、母の顔ばっかり見ちゃったもんね。どこに皺があるか、目がどうなってるか、瞼はどうか、穴が開くほど見ちゃった。母には私の為に、いつまでも若々しくいて欲しいと願った。可愛いお婆ちゃんになりたいものです。

アーメンソーメン・・・。

頑張って〜、お母さん。