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大きな背中

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大きな背中

店内にて

母がぐったり寝込みました。

インフルエンザです。

お薬を飲ませ平熱に戻ったら服を脱がせて、温めたタオルで頭から足の爪先まで拭きついでに保湿クリームを塗りました。

ベッドの上の母をコロコロ転ばしながら拭いていたら、「ごめんね、こんな病気になってしまって。ありがとう、良くしてくれて。」

「心配しなくても大丈夫だよ。もう直ぐ良くなるからね。元気出していこう〜。」って言ったら、「 私はこの病気のままで良いけどね。」って。

自己中か!

母は鰻が苦手だという事を、私は数年前に初めて知りました。母がビーズや刺繍の可愛らしいお洋服が好きだって事も知りませんでした。こんなに華奢で色白だった事も知りませんでした。母が介護認定を受けて私は初めて母の背中を見ました。私を背負ってくれた背中はもっと、

大きかったはずでした。