04
6月
誰かの何か
in 銀トリ日記
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朝早く、母からの電話で起こされました。今日はお休みだから時間を気にせず寝ていられると思っていたけど甘かった。
「もしもしぃ〜」
「今から行ってもいい?顔が見たいと思って。」
これはおいでって言うしかない。笑
暫くしてやって来た母は私の顔を見て、「ごめんなさい。」って言って頭を下げて、「今日は朝からどうしたらいいか分からなくなって。これからどうやって生きていけば良いのか分からなくなって。何の役にも立てなくなってしまって。どうしたら良いだろう?」って。
母に温かい紅茶を入れた。
お土産で頂いた甘いお餅やチョコレートやビスケットも食べさせた。
「美味しい?」
「うん、美味しいね。このお餅、ほっこり甘くて美味しいね。甘い物は大好き。」「 じゃ、これも食べて。役に立ってるじゃない?残ってる甘い物、全部食べてくれるもん。」
「えぇ〜、そんな事で良いの?」
そんな事で役に立つって言ってもらえるなら喜んで全部引き受けると言って母は笑った。
母の好きなのど自慢が始まるとそっと私の横に来て、優勝者が決まるまで私の肩を揉み続けてくれた。
私も出来るかな。
80歳になった時、誰かの役に立てるかな。
顔が見たいって素直に誰かに言えるかな。
まだまだ元気に生きていかないといけない、母の為に。