小学3年生
ほんの2、3ヶ月前にクリスマスケーキを食べた気がするのですが、早いものでもう年の瀬ですね。日に日に寒さが厳しくなり冬らしくなって参りました。皆様、いかがお過ごしでしょうか。風邪をおひきになりませんよう、どうぞ温かくしてお過ごし下さいませ。
12月1日、銀座のトリルは開店9年目を迎えました。8年もの間お店を維持出来たのは、偏にお客様のお陰と感謝しています。お忙しい中いつも足をお運び下さいましてありがとうございます。今後も皆様に来て良かったと喜んで頂けるよう、スタッフ一同尚一層努力して参りますので、どうぞ末永くお付き合い下さいますようよろしくお願い致します。
昔から私はお誕生日会や周年記念など大袈裟な行事が苦手で、今年の記念日も例年通りどなたにも話さずいつも通りの営業をと決めていました。周年の数が増える度に目に見えない重圧や責任といったものが肩に重くのし掛かってきます。開店当初もプレッシャーで押し潰されそうでしたが、今から思えばあの頃はまだまだ脳天気な私でした。開店して1年が経った夜、ホッとしてよく眠れたことを覚えています。
偶然ですが12月1日へと日付が変わる瞬間に、私はカウンターの裏にある時計を見にお客様のお席を一瞬離れました。9年目を迎えたことを確認して後ろを振り返ると、お客様のパフォーマンスに店内は爆笑の渦でした。娘も声を出して笑っていました。マスターもグラスを洗いながら笑っていました。もしこんな夜に1人でお店の隅に座っていたらどれ程辛かっただろうかと、皆様の笑い声が有り難くて涙が出そうになりました。
先日あるお客様が、「良く頑張ってきたねぇ。トリルが出来た時に生まれた子供は小学3年生なんだね〜。あと3年すれば中学生になるんだよ。ママ、頑張って。」と言って下さいました。その瞬間にお店を持つまでの苦労や開店してからの思い出が蘇り、身体が小刻みに震えてきました。長く厳しい銀座生活でした。
私もやっと小学3年生です。もう3年したら中学生になります。私は高校にも、出来れば大学にも行きたいです。私は成人し、色んな苦労を乗り越えて立派な大人になりたいです。いつも支えて下さる皆様への感謝の気持ちを忘れずに、心に少し危機感を持って一歩ずつ前へ前へと進みたいと願っています。
今までありがとうございました。そしてこれからもどうぞよろしくお願い致します。