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甘くも辛くもない

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甘くも辛くもない

私・自宅にて

長い冬休みも残り2日となりました。気持ちの切り替えに丸1日掛かる私ですから、実質的なお休みは今日だけという事になります。月曜日からの営業に向け最後のお休みを心穏やかに過ごしたいと思います。

12月の初め、ふと思い立ち寒天を買ってきて何度かコーヒーゼリーや牛乳寒天やゼリー寄せを作りました。皆さんは突然子供の頃に食べた物を思い出して無性に食べたくなる事がありませんか?

私にとってのそれは寒天ゼリーなのです。

職業婦人だった母に代わりお台所を一手に引き受けていた祖母は新しいもの好きのチャレンジャーで、当時はまだ珍しかった夏野菜や魚介のゼリー寄せを作ってくれたりしました。

家族からは、「何これ?甘くも辛くもないな。」と不評でしたが。

そんな甘くも辛くもない寒天料理の中で、唯一、家族に大好評だったのは小豆のゼリーでした。

透明なゼリーの中に所々小豆が浮かんでいるだけのシンプルな物でしたが魚介のゼリー寄せの反動か、これが出てくると家族中大喜びでした。

そんなチャレンジャーがよく作ってくれたおやつの1つに牛乳寒天がありました。

今のようにおみかんなど入っていない真っ白い寒天でした。

当時の私は牛乳が全く飲めませんでした。

初めて牛を間近で見てから私は、あの者の中から出てきた物に身体が受け付けなくなってしまったのです。

そんな私の苦手を克服させる為に祖母は作ってみたと説明しました。「匂いもないし牛乳の味もしないよ。食べてごらん。甘くて美味しいよ。」って。

牛乳好きの姉が先に食べて、「本当だぁ。冷たくて甘くて美味しい〜。食べてごらん、牛乳の味がするからぁ。」

味しとるやないかい。

結局私は祖母が幾度となく作ってくれた牛乳寒天を祖母が生きている間に1度も食べませんでした。

私が初めて牛乳寒天を食べたのは、20歳になってからでした。

当時もやっぱり牛乳は苦手でしたが、ある日突然、無性に食べてみたくなったのです。

お婆ちゃんが何度も何度も私の為に作ってくれたのに、どうしてあんなに頑なに食べなかったのか。

牛乳が嫌いだからです。笑

いつか私がいなくなった時、娘は私の何を懐かしく思い出してくれるだろうかと最近よく考えます。

きっと娘は目撃した私の失敗談を面白おかしく思い出して笑うのでしょう。

色んなものを作って食べさせたのに、何を作っても同じ味だと言う味音痴の娘です。手料理は期待できません。

だけどそれでも良いから時々思い出して欲しいなぁ。

ありゃ?もしかして

私、もう直ぐ死ぬ?笑

ダメだダメだ、良い人は早く逝くっていうから。爆