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今、生きている

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今、生きている

天空へ続く道

シーツや肌掛けを洗ってバルコニーに出たら先週までの風と違う風が私を横切って、夏が行こうとしている事に気づきました。これからの季節は日に日に一雨毎に過ごし易くなりますが、それが少し寂しいと思うのは私だけでしょうか。皆様、お変わりございませんか。

先週の金曜日に抗がん剤治療が開始されました。初期だからと思っていたステージが上がってしまい、一時はショックでガックリガクンと落ち込んでしまった私でした。頑張れと何度自分に言い聞かせても効き目はなく、深みにはまって必死にもがく自分に打つ手なしでした。こんな事になるとは思いもよらず5月の道央、道南旅行の終わりに予約した8月の道東旅行も、家族に迷惑をかけるのでは?とギリギリまで悩みました。でもだからこそ全く違う環境に身を置いて自分と向き合わない時間を過ごすべきと判断し決行しました。開腹手術1ヶ月後の早朝のことです。

釧路に降り立ってから私は少しオーバーなくらい意識的に大自然や新鮮な食材に歓声を上げ、美味しい空気を胸いっぱい吸い込み、眠る前には必ず、「私は幸せだわ。」と声に出して言い続けました。不思議な事にあんなに辛かった毎日が嘘みたいに消えて、旅の途中から、『なってしまったものはもうどうしようもない。今こんなに幸せなんだからそれで良い。』そう思える様になりました。抗がん剤治療が始まるまでに身体に良い物を沢山摂り入れて、自分に出来る事をして来るものに備えるんだと・・・

第1回目の抗がん剤治療の前日に娘が1人で何軒もの専門店に足を運び直接被ってみて予約してくれていた医療用ウィッグの専門店に行き、髪を3部刈りにしてもらいオーダーしていたウィッグを被って帰宅しました。翌日から2泊3日の入院をして治療開始、アレルギーやショック症状もなく次回からは通院での治療が決まりました。自宅では毎日家族に丸坊主をクリクリ撫でてもらい、そして今日、治療から10日が経ちました。さすが抗がん剤です、身体中をぐるっと周って手当たり次第に痛めつけているのがわかりました。副作用はありましたがどの症状も予想の範囲内で重くなく、1度も寝込む事なく1週間で楽になりました。治療の回数が増える毎に副作用が強くなるそうですが、初回としては上出来ではないかと思います。

2回目以降もこの程度なら良いのにと期待してしまう私。どうなるか全くわからない事をアレコレ考えてしまう私。頑張れば何とかなると信じている私。遠い先を見据えて逆算しながら生きてきた私。それが正しいと思ってた。でも癌になってNO!を顔面に突きつけられてコテンパンになって。そして初めて知った事、それは

今を生きるということ。

出来れば楽しんで。

⭐︎銀座のトリルは通常通り営業しています。

⭐︎マスターのみ、マスターとキャストのみ、マスターとキャストと私がいる日があります。

⭐︎私は治療後1週間はお休みさせて頂き、次回の治療までの2週間は体調を見ながらの出勤になります。

⭐︎次回の治療は9月15日です。