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大岩を登る

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大岩を登る

強羅にて

年の瀬を迎え寒さ身に染みる季節になりました。

今日のお天気で富良野がマイナス22度になっていて、マイナス22度の想像が全く出来ずただ驚いてしまいました。

5月に立ち寄った富良野チーズ工房や白樺の木立、大丈夫かな。

皆様、お元気ですか。

12月1日に5回目の抗がん剤治療を受けました。投与3日目頃から出る副作用は前回までの後遺症に今回の分が蓄積され、涙が出るくらいキツいものでした。

私はかなり忍耐力があり余程の事でもない限り弱音を吐かない我慢強い人間だと思っていましたが、今回ばかりは超、超、ちょう弱虫でした。笑

横になっていると耳の近くで、「1番痛い時を10とすると今は?」と看護師さんに聞かれる錯覚を起こしてムカついたり、毛布を被って愚痴りまくりのキレまくりでした。

それでも、「10とすると?」9はいつの間にか6に6は4になっていき、ベッドよりソファーの上にいる時間が日に日に増えていきました。

青色吐息でやっとの思いでここまで回復しました。

それなのに明日は6回目の治療です。

ガァ〜ッ!!😭

でも残り1回です。

後1回〜♫です。

今回を耐えれば、予定の6回の抗がん剤投与からは解放されます。

長く生きてきて、今まで色んな経験をしてきました。

物心ついてからの私の経験の殆どは私に選択の主導権がありました。沢山の失敗を経験しましたがそれは納得の自己責任で、済んでみれば良い経験だったと言えるものばかりでした。

ところが今年の私の経験は・・・

ある日目覚めたら突然目の前にドッカ〜ンと巨大な岩が落ちてきて、アタフタしながら何処かに楽な抜け道はないかと探していたら、「じたばたしてもだめですよ。ピッケルをあげるから頑張って登るか、何もしないか、どちらかしかないですよ。でも早く登らないとヤバいですよ。」と誘導する天の声?がしてビビって慌てて登り始めた感じです。

初めは断崖絶壁に見えた大岩は意外と緩やかで、「脅かさないでよね〜。」なんて言っていたら段々とんでもない急斜面になってきて、急いでポケットからピッケルを取り出したら、“なんじゃこりゃぁ、ちっちゃ。”みたいな。

下りはどうなってるの?とか登らなければヤバくて登ると楽勝なの?とか、色々聞いてみたいのにあれきり天の声?はピタッと聞こえません。

今年の私の経験は成功なのか失敗なのか、いつか良かったと思える日が来るのか、それは私にはわかりません。

求めた意味や結果は登り始めて直ぐにもしかしたらないのかもしれないと思えて、答えを探すのはやめました。

私は小さなピッケルを片手に握り締めて、仕方なく。

周りを見渡す余裕もなく無様に打ちのめされて、それでもまた立ち上がる私をただ誰かに見ていて欲しくて。

これが年内最後のブログになると思います。

アップ後に、「ママ、ごめん。ちょっと笑ってしまったわ。」とお返事を下さる方が数名いらっしゃるのですが、そう言って頂けると何だかとても嬉しいです。

今年も大変お世話になりました。

いつもブログを読んで下さる方に、

メッセージを送って下さる方に、

静かに見守って下さる方に、

お店を訪ねて下さる方に、

留守を守ってくれるマスターとアコちゃんに、

家族と親族に、

私に関わって下さる全ての方に心から感謝を。

ありがとうございました。

皆様、どうぞ良い年をお迎え下さい。