銀座のトリル 03-3572-8228

Author: もあママ

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自宅にて

今の日本は豊かで、皆さん様々な趣味をお持ちです。色々あるけど日本は幸せな国です。

皆様、お元気ですか。

先日テレビで私と同じ年代の女性が、ガチャガチャのコレクションを紹介していました。その数の多さに驚きました。私にはあんな物を集めて何が嬉しいのかサッパリ理解出来ませんが、ご本人はとても満足そうでした。趣味ってそういうものですね。

私がいつもお願いしているネイリストの女性は、お休みの日に1人でお酒を飲んで酔っぱらって1人カラオケに行くのが趣味だと言っていました。5.6時間、声が出なくなるまで熱唱するのだそうです。

わからない。笑

とてもお綺麗な女性なので、「彼を作ってお出かけしたら?」と提案したら、「彼はいらないです。1人の方がよっぽど気楽で良いですよ。」って。

私のお友達ホステスはホスト通いが趣味でした。笑

お気に入りのホストに会うために、お仕事が終わると速攻で新宿に飛んで行きました。私だって癒されたいと言うので笑ったら、「ママも一緒に行こうよ。癒されるよ〜、行こうよ。」ってしつこく誘うので1度行ってみたのですが。

皆んな鶏みたいな同じヘアースタイルで自分を鏡に映して自己陶酔している姿を見て、気持ち悪くなりました。

これを趣味というのかわかりませんが、私は色とりどりのインポートランジェリーを集めています。

娘に、「ママ、この派手なの何とかしてよ。恥ずかしい、私。」と言われています。

娘に、「 趣味ってな〜に?」って聞いたら嬉しそうな顔で、

お腹いっぱい食べること。

美味しいものをって付けなさい。

私・娘・店内にて

先日、銀座2丁目の美容室に行ってきました。私には行き着けの美容室が3箇所あります。

和服の時の美容室とカラーリングの美容室、天才美容師のいるお店の3軒です。

天才美容師は娘が見つけました。

どんな世界にも天才と呼ばれる人がいるものですが、日本の天才美容師は彼女だと私と娘は確信してきます。

天才の手に掛かりたい人がワンサカいて、予約は早くて1か月先しか取れません。

先日天才から、「ママ。実はどうしてもって言って下さる方にだけお知らせしているのですが、知人のそのまた知人にお願いしてお店を間借りしてそちらでもやっているので、よろしかったら。」と教えてもらい、今回は間借り美容室に行く事にしました。

お店の前で天才が待っていてくれました。
エレベーターの中でも天才は、「いつものお店とはちょっと違うんですよ。 何か気になったら何でも言って下さいね。ママは静かな方がお好きでしたよね。 今日ご予約のお客様はママだけですから。」

何か変だなと思いながらお店に入ったら、オジさんが欽ちゃん走りでやってきて、「あっら〜、こちらが例のママなのね〜ん。ようこそ、こそこそ〜。」

は?

店内にはテレビが3台取り付けられていて、誰も見ていないのに大音量でワイドショーが流れていました。
「すみません。テレビを消して頂けませんか?」と欽ちゃん走りにお願いしたら、「ダメなの、消せないのよ〜ん。でも音は小さく出来るわよん。うちって耳の遠い婆さんしか来ないからぁ〜。」って。

消せないテレビって初めてだわ。

天才は間借りはダメですよん。笑

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自宅にて

関東も梅雨明けです。

日中は連日ゲキ暑、深夜になっても気温が下がらず寝苦しい夜が続いています。熱中症対策は充分な水分摂取と睡眠だそうです。皆様、どうぞお気をつけて下さいませ。

朝8時に眠りについて気持ち良く楽しい夢を見ていたら、キッチンからバターの香りがしてきて目が覚めてしまいました。

娘が何やらゴソゴソやっているようです。いつもの私ならそのまま眠るのですが、滅多にお料理しない娘がバターを使っているとなるとゆっくり眠ってなどいられません。

ふらつきながら行ってみると、カウンターに物が散乱していました。

娘が何かを丸めています。

私は片付けしながらお料理するのがプロのお仕事よと言いたい気持ちをグッと堪えて、「何やってるの?」笑

「 パン作ってる。メロンパン。」

「メロンパン?材料買ってきたの?」
「 うん、さっき買ってきたぁ。」

「メロンパンって難しいと思うよ。」

「うん、ネットで調べたぁ。」

丸めていたのはパン生地でした。

物が散乱したカウンターに小さなメモ用紙があり、娘の文字で小さく材料や作り方が書いてありました。

「ママ、その台の上にこの粉を敷いて。」

娘が顎で粉の場所を教えてきました。

私は言われたように粉を敷かながら、これは一刻も早く逃げないと手伝わされると思いました。でも娘の丸めてる姿が滑稽で面白くて暫く見ている事にしました。

「 ね?それパン生地だよね?」

「そだよ、でもなんか変。」

「なんかネチャネチャじゃない?」

「そうなんだよ、パンってこんなだっけ?」「 違うと思うよ。それじゃ固まらないよ。 」「そう?じゃもうちょっとバター足してみようかな。」

「へ?」

「パンになるのか〜?これ。」

ならないと思う。笑

寝室に戻って少し眠り起きたら、それはもう仕上がっていました。

紙袋に小分けしてあり、それぞれの袋にお客様のお名前が書いてありました。

「何個出来た?」

「8個。」

「8個?たったの?」

「たったって、パン屋じゃないんだから。」「お客様にあげるのね。」

「うん。お婆ちゃんにもね。」

そうだったのね。婆ちゃん喜ぶよ。きっと。

私・娘・店内にて

お洗濯物を干そうとバルコニーに出たら凄い陽射し、一瞬でくらっとなってしまいました。

沖縄は梅雨明けしたそうです。週の初めは体温並みの気温になるとか。皆様、体調管理には充分にお気をつけて下さいませ。

先日、お店に神戸出身のお客様がいらして下さいました。

私は青春時代の数年間を神戸で過ごした経験があり、その方の神戸訛りを聞くと当時を思い出して嬉しくなってしまいました。

幼稚園から高校まで私はずっと自宅から学校に通っていて、ある時期から両親に行動を監視されていると感じるようになりました。

両親はそんなつもりはなかったと思いますが。

丁度その頃、同い年の従姉妹が京都の美大に進学が決まり、1人暮らしを始めると知りました、

私はそれだ!と思いました。笑

勇気を振り絞り父に、「関西の大学に進学したいのだけど 」そう打ち明けたのは高校3年の秋の終わりでした。

おそ。笑

父は驚いて黙ってしまいました。

父の顔が赤くなってきたので、私は今日が自分の命日なんだと思いました。

その後、両親がどんな話をしたのかは知りませんが大学を出たら必ず戻る事を条件に、私は生まれて初めて両親の目から離れる事になったのです。

神戸はとても落ち着いた街でした。

入学式当日に声を掛けてくれた友人とは卒業までずっと一緒でした。

家に遊びにおいでと誘ってもらう度に、許可を得る事なく遊びに行ける幸せを噛み締めました。私にとって神戸での数年間は夢の様な時間でした。

卒業後、私は両親との約束を守り自宅に戻り、それから1度も神戸には行っていません。

ところが神戸出身のお客様に出会ってからというもの、忘れていた思い出が蘇ってきて私は神戸に行きたくて仕方なくなりました。

東京から神戸まで新幹線だと2時間半です。週末に行こうと思えばいつでも行けます。でもちょっと不安〜。

神戸ってどこの次の駅だっけ?笑

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母・私・自宅にて

母の具合が良くないなと感じたのは、父の病状が悪化して入院した頃でした。交番のお巡りさんから、「迎えにきてあげて下さい。」と連絡がきて急いで駆けつけた時、それは確信に変わりました。

母は数点の食品をかごに入れてレジを通し、また数点選んでレジを通し、最後はレジを通さずにお店の外に出てしまったようでした。

何度も同じ事を繰り返す母を不思議に思った店員さんが母の最後の行動を見届けた後、交番に連絡されたのだそうです。

私の顔を見るなり母はホッとした顔をして、「来てくれた。ごめんね。何が何だか。」

母は何も覚えていませんでした。

私は母に大丈夫よと声を掛けて、そして。

皆さんにご迷惑をお掛けした申し訳なさや、気丈な母が何故という思いやこれからの不安が一気に溢れて、私はハンカチで顔を覆って泣きました。

年配のお巡りさんが、「失礼ですがお母様は痴呆症ですか?私にも同じ様な母がいます。大変ですけど気を楽に。」そうお声を掛けて下さって我に返り、今私が泣いてる場合じゃないと。

良い日悪い日を交互に繰り返しながら、母は気力を振り絞り何とか今を生きています。

母がこんな風になって私は初めて、母の好物がメロンパンだと知りました。

時々、出勤前に食料品や日用品を買って届ける私を母は心待ちにしている様です。

たった10分程の滞在時間でバタバタと出勤していく私を見送る母はとても寂しそうで心が痛くなります。

「ちゃんと食べてね。あと小まめに水分補給ね。」
「はい。すいぶん。」
「補給ね。」
「はい。ほきゅう。」
「水分補給。」
「はい。すいぶんほきゅう。」
「 じゃね。また来るから。」

ここで良いよ、送って来なくて良いからって言うのに、母はエレベーターの前までノコノコついてきて、「お店にお客様来てくれてるの?どうしてそんなに疲れた顔してるの?顔色が悪いよ。青いね〜。お休みの日に行ってあげようか?背中を揉んであげたいわ。揉んであげようか?」

今朝早く母がやって来ました。

「ちょっとここに横になってごらん。約束したからね、背中を揉んであげる。」

「あれ?覚えてたの?」
「覚えてるわよ。親子だもん。」

ごめんね、良い娘じゃなかった。