ブログをアップする時は明るい気持ちの日に何という事もない短い文章をありのままに、そう心掛けています。
少し悲しい文面でも書きながら泣くなんて事はありません。
良いことも良くないことも起きてしまった事には執着しない、私の利点はそれくらいしかありません。
人の生死に関わるニュースを目にする度に、思い出すのは今は亡き姉のことです。私の姉は思春期の頃、よく死にたいと言っていました。脳天気な私にはわからない苦しみや悩みが当時の姉にはあったのだろうと思います。
ある日またいつもの様に、「頑張っても頑張っても結果が伴わない。こんなに苦しむなら死にたい。」と姉は食卓を囲んだ家族の前で言いました。
すると私の隣に座っていた母が音を立ててお箸を置き、急に立ち上がりました。姉は勿論、家族中が何事かと驚いて母を見上げました。
すると普段は明るい母がポロポロ大粒の涙を流しながら声を出して泣いて、「もう何もしなくていい。立派になって欲しくて育ててない。だから親の前で死にたいなんて言うな。お母さんより先に死ぬ事は絶対に許さない。大事な大事な子供んだ」と。
そんな姉が大変そうに子育てをする姿を見ている時の母の嬉しそうな顔といったら。
数年前に姉は余命2ヶ月の宣告を受けました。スキルス性胃癌でした。
姉を見舞った両親に姉は泣きながらこう言ったそうです。
「父さん、お母さん、先に逝くけどごめんなさい。もっともっと生きたかった。私を許して。」
私の寿命を分けてやりたかったと母は何度も。