銀座のトリル 03-3572-8228

嘘の自分、本当の自分

銀座のトリル > 銀トリ日記  > 嘘の自分、本当の自分

嘘の自分、本当の自分

化学療法室にて

連日の暑さに嫌気がさしていた毎日にやっと終わりが見えてきました。昨日や去年と比べて今日の温度はどうか、そんな事ばかり言っていた様な気がします。時々、四季の順番が変わったらどうなるのかな?春秋夏冬だとしたら目に映るもの全てが変わるんだろうかと思う事があります。今だになぜなに学習図鑑の私です。

皆様、お元気でしょうか。

癌と告知をされて5か月ほど経ちました。

日本の四季が変わらなくても、人は自分の置かれた状態で見るもの全てが変わります。よくどうして自分が!と癌と告知されてショックだったという記事を目にしますが、私はそれは思いませんでした。がたいの良さの割に私は幼い頃からちょこちょこ小さな病気をする子供でしたし、大人になっても胃が痛いとか頭が痛いとか、いつもバッグの中には数種類のお薬を入れ持ち歩いていました。絵にも描けない不規則、不健康な生活を長年続けてきました。

2人に1人は癌に罹患する時代です。私は癌に近い場所にいる自覚があり、ショックではありましたが妙に冷静に納得して告知を受けた記憶があります。その後の外科的処置と化学療法、簡単に言えばそれに費やした5か月間でした。そのたった5か月間の経験がそれまで見ていた風景を一変させ、私だけの新しい思いや考え方を作っていきました。

昨日は予定より2週間遅れの抗がん剤治療日で、化学療法室という場所で投与してもらいました。待っている間に見取り図を見ていたらナースステーションの周りに治療室が30室あり、担当の看護師さんによると混んでいる日は3交代するのだそうです。約100名近く癌患者ウジョウジョです。カーテンで仕切られていて大部屋の狭い感じがずらずら〜とというイメージです。看護師さんも沢山いて15分間隔で見に来てくれてとても安心でした。今まで何かの度に個室だったのでこの大部屋的感覚は新鮮で、備え付けのテレビもありましたがスマホを何度か見た以外は6時間滞在の殆どを人間観察をして楽しく過ごしました。笑

癌になりたくはなかったけれど、どうせなるなら今で良かったと思います。まだボケていないうちにね、今はまだ明るい未来は見えなくても小さな変化を敏感に見つけて楽しむ事が出来ます。目を覚ましておはようと言える事、支えてくれる皆んなに感謝を言葉にして伝える事が出来る事。ビックリするくらい弱くなったり、人類史上最強になったりを繰り返し乍ら踠き乍ら、諦めて受け入れて私は少しずつ強くなっていく。どうしてあんなに強がっていたのか、見栄を張っていたのか、間違っていた事と間違っていなかったと思える事、出来たこと出来なかったこと、客観的に過去の自分と向き合いながら情けない自分を許し程々に折り合いをつけ、剥き出しになった自分を笑う事ができる。作り物だと思っていた自分も嘘ではなくそれも私の一部で、私は私以外にはなれないんだと知った。そしてこれからの私は?

癌が教えてくれた、これからも

辛抱強く私は自分を生きていく。